JOURNAL
   

We Think

変化の時代に、
DES PRÉSが考えたこと。
VOL.3-1 Buyer

2021.01.08 BUYER / Chiaki Takamoto

思いがけず世界に訪れた、
大きくて揺るぎない変化。
さりげなく、それでいて強く。
自分らしく過ごすことが求められるこの時代に、
ファッションブランドができること。
DES PRÉSに関わるさまざまな人々が、
今期のものづくりに込めた想い、
少しずつ、紐解いていきます。

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Q1. ブランドのテーマを教えてください。

 バイヤーとして15年以上このブランドに関わってきましたが、その間、デ・プレのテーマはずっと変わらず「フレンチシック」そして「エイジレス」。といっても見た目やデザインといった外見的なことではなく、年齢を重ね大人になることを心から楽しいと思えるような考え方やマインドにフォーカスするということです。ファッションに限らず、人生においてはユーモアを持って、今を楽しむ心がなによりも大切です。エッジの効いた感性が求められるファッションブランドは、ともすればユーモアというキーワードからは離れてしまいがちなのですが、私たちは「今という時間や人生の余白をポジティブに楽しむ女性が着るための服」ということをコンセプトにしてきたので、どんな時でも「ユーモア」を大切にしてきました。自分らしく自然体で人生を楽しむなら、ファッションにおいても「こうじゃなきゃいけない」ではなくいつでも柔軟なマインドで、その時の気分に合ったものを自然にスタイルの中に取り入れる方がいい。私たちはそんなしなやかな考え方で、どんな時でもその状況をポジティブに楽しむことができる女性をイメージしています。
 現代を生きる女性の多くは仕事や趣味、子育てなど、ひとつではなくさまざまな役割を担う機会が増えてきました。以前はキャリアや仕事そのものがモチベーションという場合も多かったのですが、今はその人ごとに様々なモチベーションを持っていらっしゃいます。そうした多様な価値観の中で、自らを常にアクティブにキープしておくモチベーションを持つ女性がデ・プレのターゲット。だからこそデ・プレの服は「程よい緊張感」ということを大切にしています。自分らしく自由なライフスタイルの中で、スイッチを切り替えて少しキリッとしたい時に着る服。けれど決して堅苦しいわけではなく、必ずどこかにその人らしいユーモアがある。そんなトラディショナルという枠を超えた自由な緊張感を持ったスタイルがデ・プレの真髄です。




Q2. バイヤーはどんな仕事をしていますか?

 「ショップ デ・プレ」というコンセプトにあるように、デ・プレはセレクトショップしての顔も強く持っていますが、バイイングそのものでトレンドをディレクションしていくというわけではありません。シーズンごとに設定されるシーズンのテーマに合わせブランドフィロソフィーを端的に表現するためのアイテムをバイイングしていくことが私たちの大切な仕事です。ですので、常にアイテム起点ではなく、自分たちのフィロソフィーに合ったものを探していくという作業をしています。つまりバイヤーとして大切なのは、その時代ごとのブランドの「世界観」を表現すること。トレンドのアイテムをたくさん揃えるだけでデ・プレの世界観を表現することはできません。
 そこで、まずはシーズンが始まる前にチーム全員で今シーズン提案したいブランドの気分を何度も共有し、それをもとに春と秋にパリ、ミラノの展示会やショールームを旅して回ります。デ・プレのイメージする女性像を表現するために常にトラッドやフェミニンよりもミニマムやクリーン、モダンさというような「デ・プレらしい視点」を意識しています。その中にトレンドをどう昇華させていくかが重要になってきます。こんな風にブランドの世界観をつくるのはチーム全員で、というのがこのブランドの特徴かもしれません。
 決められたルールを忠実に表現するのではなく、ぶれない哲学のもとそれぞれのパートがイマジネーションを発揮し、自由にブランドの世界観を表現することで新たなクリエーションが生まれる。バイヤー、デザイナー、ショップスタッフ、それぞれの個性に強さがあり、それがバランスよく組み合わさってデ・プレというブランドが形作られています。そのためバイイングには、大きく分けると「デ・プレらしさを表現するためのアイテム選び」と「ショップとしてのワクワク感を演出するためのアイテム選び」の二軸あるということです。もちろん時期的にオリジナルの服づくりよりもバイイングのほうが始動が早いこともあり、次のトレンドを見つけ社内に提案するという役割もありますね。


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 あらゆる情報が手軽に手に入るようになった今でも、特別なアイテムとの出会いというのはすべてタイミング次第です。ですから私たちは、実際に現地を訪れ、自らの足を使ってアイテムを探すというプロセスを何よりも大切にしています。だから展示会場やショールームなどを、特別な出会いを求めて歩き回ります。そこで最も重要になるのが、バイヤー自身の心が揺れるかどうか。どれだけ売れ筋のアイテムでも「あ、これ素敵だな」と、自分自身の気持ちが揺れるものでなければ絶対にバイイングしません。手に取った瞬間、理由はわからなくてもとにかくワクワク、気分が上がる。逆に言えば、そういう印象を持ったら、たとえ提案としては難しいアイテムだったとしてもオーダーしてみることも多いです。その感じ方というのは、デ・プレを愛してくださっているお客さまと同じ視点かもしれません。

 もうひとつ大切にしていることが「人」との出会いです。デ・プレのフィロソフィーを表現するオリジナルアイテムや別注品を作るためには、信頼できる作り手とのつながりが何よりも重要だからです。作り手本人やファクトリーのものづくりへの信念に共感できなければ、どれほど素晴らしい技術を持っていても意味はありませんから。だから、アイテムそのものよりも、ものづくりの背景がとても気になります。長年積み重ねてきた中で生まれた数多くの作り手との特別なつながりは私たちにとってかけがえのない宝物です。


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To be continued
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